お母さんに

「明日も来るから」

と告げて病室を出る。

エレベータに乗って、1階に行く。

そこにはいすに座った大好きな先生の姿。

待っててくれたんだ。

家に帰ってしまったと思い込んでいた私は
先生は待っていてくれた事が嬉しくて
「先生!」と叫んでしまった。

「おい、ここ病院だぞ。大きい声だすなよ。」

そうだった。病院で叫ぶなんて。
しかも、高校生にもなって。
一気に恥ずかしさがこみ上げてきた。

顔を真っ赤にする私を見て先生は笑う。

先生が笑ってくれた事が嬉しくて私も釣られて笑う。

このとき、私の先生に対する好きは
1人で抱えていられるものではなくて
あふれ出してしまいそうな程だった。

先生は

「今日1日お前のせいで暇人なんだから、俺に付き合えよ?」

なんて言って私を車に乗せた。