-ガラガラガラ-

「・・・失礼します」

小さな声で呟いてから職員室に入る。

授業のない先生達がコーヒーを飲みながら
楽しそうに話している。

私は大好きな先生を探した。

すぐに目に飛び込んでくる大好きな人-

私に気づいた先生は
こっちに近づいてきた。

「吉田。今日、何で遅れたんだ?」

先生。
やっぱり心配してくれたんんだね。
担任だから当然か・・・

もし、担任だからした心配だとしても
一瞬だけでも私の事を考えてくれたんだと思うと
嬉しくて泣きそうになった。

「先生、あのね・・・」

先生なら相談に乗ってくれるかもしれない・・・

お母さんの事を先生に話す事にした。

「相談か?」

先生は優しく微笑みながら言う。

わぁ!
先生。その顔は反則だよ。
格好良すぎるよ・・・先生。

そんな事を考えながら先生の後について
職員室を出る。

先生が向かうのはたぶんこの前と同じ
第1理科室

私が先生にひどい事をしてしまった場所・・・

行きたくない。
あの日の事を思い出してしまうから。

私の気持ちとは裏腹に先生はどんどん
理科室へと向かって進んでいく。