受付の人に部屋を聞いてお母さんの所へ向かう。

『305号室』

そうかかれた部屋の前にお医者さんが立っていた。

「吉田明さんですか?」

「はい。母は大丈夫なんですか?」


「いまのところ大丈夫です。詳しい事は明日連絡しますのでまたいらっしゃってください。」



―いまのところ?-


頭の中が真っ白になった。
お母さんは病気なの?
もしかしたら、このまま死んじゃうかもしれないの?

胸が不安で押しつぶされそうになって
自然と涙が零れ落ちてきそうになる。

そういえば、この事をお父さんは知ってるんだろうか?

お父さんに連絡しよう。

携帯を開いて電話をした。

「もしもし、明?どうした?」

久しぶりに聞く
お父さんの声はとっても優しくて
我慢していた涙が一気に零れ落ちた。

「う・・・っ。お母さん・・・がっ。倒れたって・・・・」

「本当か?明?しかっりしろ。今1番辛いのは母さんだ。明は母さんの支えになってやってくれ。泣いてたんじゃ、母さんは心配するぞ。父さんは、まだ帰れそうにないから母さんの事頼んだぞ。」

「うん。分かった。私、頑張るね。ばいばい。」

そうだ。しっかりしないと。
今、1番辛いのはお母さんなんだから。
私がしっかりしないと。お母さんを支えないと―