「先生って、オレンジ好きなの?」

先生からは時々オレンジの臭いがすることがある。
芳香剤のせいかもしれないけど・・・

「おう!俺、オレンジ好き~。吉田は?」

「私も好きだよっ。だーい好きっ!」

「じゃぁ、これやるよ。」

先生はポケットから飴を取り出す。

私の大好きなオレンジ飴。
実は今かばんの中に入ってる。
でも、先生には秘密
貰えなくなると嫌だから。

先生がくれた飴
もったいなくて食べれないよ。
きっとこれは私の1番の宝物。
先生から貰ったものならなんでも宝物だよ。
もう、何ももらえないかもしれないけど・・・

黙って飴を見つめる私を見て先生は笑う。

「お前って変わってるな~。そんなにその飴って珍しいのか?」

頭に手をポンッって置いた先生。
『ドキッ』先生の行動1つ1つに
胸がトキメイて心臓がもたない。