「來美ちゃん、ばいばーい」

「じゃあな、ラビ」

「ラビさん、キッチン勝手に使ってしまってすみませんでした。それでは」

各々挨拶をして玄関から出ていくなか、ソラさんだけはあたしを見つめたまま動こうとしない。

ソラさんを見上げるあたしを見つめながら、ソラさんはあたしの頭を撫でた。

「あのっ……ソラさん??」

「ラビ、何かあったの??悲しそうな顔してたけど」

心配そうな顔をしたソラさんを見てると胸が小さく跳ねた。




寂しいって気持ちもまだ少しはあるけど……ソラさんが気に掛けてくれているのが嬉しい。




「なんでもないですよ。ソラさん……今日はありがとうございました」

ソラさんのおかけで今素直に心から笑えて、今日一日楽しかったから……。

あたしはソラさんにちゃんとお礼を言いたかったから、頭を下げてお礼を呟いた。

「僕は何もしてないよ」

ソラさんは優しく微笑む。

「またね、ラビ。明日、生徒会室で待ってるから」

そう言って、ソラさんはあたしに背を向け帰っていった。