あたしはこんなふうに賑やかに食事をしたのは数年ぶりで……。

出来ればみんなにずっとあたしの家にいてほしいって思ってしまう。

思わず"帰らないで"と言いそうになったあたしを遮るかのように、時雨くんが呟いた。

「それに生徒会の今日の仕事、まだ終わってませんよ」

時雨くんの言葉にソラさんはため息を吐くと、重く腰を持ち上げた。




「分かったよ……帰る」




「えっ……あ、のっ」




仕方なしに呟かれたソラさん言葉に、あたしは思わずソラさんのシャツを掴んでしまった。

「どうしたの?」

「っ、何でもないです」

あたしにみんなの視線が集まり、あたしはパッとシャツから手を離す。




あたし何してるんだろ……。




みんなは仕事で忙しいのに、わがままなんて言えないのに。

「あの……玄関まで送りますね」

「んじゃぁ〜帰ろっか」

あたしは精一杯の笑顔を作ると、玄関の一番近くにいる湊先輩がリビングから出ていく後ろ姿が見えた。

他のみんなも湊先輩に続いてリビングを出た。