みんな行っちゃった……。

3人の後ろ姿がキッチンに消えて、急に静かになる。

静かなのは……いや。

昼間に見た夢を思い出して、あたしは小さく身体を震わせた。

「どうしたの、ラビ?」

突然視界にソラさんの顔が映り、心臓が大きくはねた。

ソラさんが隣にいるって分かった途端、心臓が騒ぎはじめる。

「な、んでも……ないです///」

熱くなった顔を見られないように、あたしは顔をうつむかせた。

不思議……やっぱりソラさんがいると安心する。

あたしの口から安堵の息が零れる。




「ラビ、ケーキ食べる?」




俯かせたあたしの視界に、さっきソラさんの手にあったケーキが映る。

その言葉に、あたしは思わず顔を上げた。

「いいんですか??」

あたしの言葉にソラさんは柔らかく微笑んだ。

「そのために作ったんだよ。食べるよね??」

それは……あたしに食べさせるために作ったって言っているように聞こえて…………。

あたしは口元が緩むのを感じながら、コクコクと頷いた。

「それじゃ……」

「えっ……??」

イタズラっぽく笑ったソラさんはそう言って……。




あたしの口元に、切り分けたケーキがのせられたフォークをはこんだ。