「えっ……ソラさんが、ですか??」

思わず自分の目を疑ってしまうほど、あたしは驚いた。

ソラさんがケーキを作ったとゆう事も、すごい短時間で作っちゃったとゆう事も……。




「美味しそう……」




思わず口から零れたのは、紛れもない本当の言葉で……。

ソラさんが持っているお皿には、チョコレートケーキが綺麗にのせられている。




「あ〜!ご飯全部食べちゃったの?!」




あたしがケーキに釘付けになっていると、さっきまでうずくまっていたはずの湊先輩が泣きそうな顔で叫び声をあげた。

「だって湊先輩、來美からかって遊んでるしさぁ……。俺、腹減ってたし。湊先輩いっつもゆうじゃん……"早い者勝ち"って」

そう言いながらも少し申し訳なさそうな那智くんは、空になったお皿を見てため息をこぼした。

「俺、まだ何も食べてないのに〜!」

湊先輩は本当に瞳に涙を浮かべている。

そーいえば、あたしも何も食べてない。

湊先輩の様子を見て、那智くんはまたため息をこぼし……ゆっくりと立ち上がった。

「……時雨も料理できたよな?手伝ってくれねぇか?」

立ち上がった那智くんは時雨くんに視線を向けた。

「仕方ないですね。実際食べたのは那智と僕ですし……」

「やった〜!!」

時雨くんも小さくため息を吐くと、那智くんに続いてキッチンに入っていった。

湊先輩も2人に着いていってしまった。