――――………

どれくらいたったかな??

30秒って言われたけど、どれくらいで30秒かわかんない。



「……?ソラさん?」



しばらくして、あたしの両手首が誰かに優しく掴まれた。

「もう目開いていいよ。終わったから」

そっと目を開くと、周りには生徒会のみんなだけがいた。

護衛達は……誰もいない。



「みんな大丈夫だった?!」



目に見える傷は無いみたいだけど……心配だよっ。

「大丈夫だよ〜。丁重に話し合いで帰ってもらったから〜」

そっかぁ、ならよかった。

あたしはホッと胸を撫で下ろした。

でも……、護衛達そんな簡単に帰らないと思ってたんだけどなぁ。

「話し合いねぇ……」

「……?那智くん何か言った??」

後ろで那智くんの声が聞こえた気がした。

後ろを振り返ったあたしに、那智くんは苦笑いでなんでもないと呟いた。

「んじゃぁ〜、來美ちゃんの部屋に行こっか〜?」

「えっ?!部屋にあがるんですかっ??」

「ダメなの〜?」

「ダメじゃないですけど……」

あたしは口籠もってしまった。

どうしよう……、助けてもらったから無理だなんて言えないし。

いやなわけじゃないんだけどなぁ……。

「行くよ〜。実は來美ちゃんの部屋知ってるしね〜」

「えっ?」

あたしはそのまま湊先輩に背中を押されるようにして、自分の部屋に向かった。