「うっわぁ〜、明らかに怪しいねぇ」


一点を見つめて動かないあたしの視線をたどり、生徒会のみんなの視線もスーツの男たちに向く。

「誰だぁ、アイツら」

「確かに怪しいですね」

「…………」

相変わらずのソラさん以外は、みんな口々に怪しいと呟いた。

そんな声も届かないくらいあたしは動揺していた。


こんなに早く来るなんて……。

あたしはあんな家に帰りたくないっ!!



「っ!!」



今……、目が合った。



案の定、スーツの男たち……あたしの家の護衛はこっちに向かって歩いてくる。

「なんかアイツら、こっちに来てねぇ?」

護衛はあたしの前で止まると口を開いた。



「來美お嬢様、帰りましょう。お父様が心配していらっしゃいます」



……嘘言わないで。

あたしは護衛達を睨み付けた。

「家には帰らない。お父様にそう伝えてください」

あたしは踵を返して、護衛達の横を通りすぎようとした。



――――ガシッ



「すいません、お嬢様。多少手荒な真似をしてでも連れ戻せと言われていますので」

「っ!!放してっ!!」

護衛から逃れることも出来ず、諦めかけていた時。