転校してばかりのこと…


友達なんかつくらないってこと…


そんな私の話を、悠真はスゴく真剣に聞いてくれた。


(いつもの悠真と全然フンイキちゃう…)

少し、ドキッとした。



「……本当は、スゴい嬉しい…。」



「…え?」


「悠真といるとスゴい楽しいし、ずっと一緒におりたいと思う。

でも……」




「でも?」



「どうせまた、すぐ離れるに決まっとる…。


離れるたびに嫌な思いしたないから……。」


話を終えると、




「そっか…、ごめんな……。」




悠真が謝る。


「別に、悠真が謝ることちゃうから…。」

私は、必死で笑った。

それを見抜いたのか悠真は、


「ムリして笑わなくていいって!」


ポンポンと頭をなでてくれた。







しばらくして、悠真はこんなことを言い出した。





「…なぁ、何でいつも千代梨を遊びに誘ってると思う?」





「…?何で?」





そう問いかけると、悠真は黙ってしまった。




しばらくして、ようやく口を開いた。





「俺も実は転校生なんだよ。」




「え…?」







「そうなんや…。」





スゴく意外だった。



「それで、転校したての俺に、優しくしてくれたヤツがいてさ。



その子の優しさに尊敬して、俺も誰かを助けたいな〜って、思ったから。」







「だから、泣きたいときは泣いていいよ。」




その優しく微笑む悠真の笑顔に安心したのか、




「…っ。」


私は、悠真の前だとか、おかまいなしに泣きじゃくった。



いや、


逆に悠真の前だから泣けたのかもしれない。