「裕也くんがお家ご飯がいい!なんて言うもんだから大変だよ~」

「なのかの作るケーキ、すっごいマズいもんね…」
絵里奈は忙しく手を動かしながら苦笑いをしている。


「ちょっとぉ!!私だって好きでマズくしてるわけじゃないんだからー!えり代わりに作って?」

「頑張れー」

「んん~‥」

「コツくらいなら教えてあげる。だから頑張りなさい★…‥いらっしゃいませ~」


「いらっしゃいませ」


そんな話しをしている間に
レジの周りには人が並び始めていた。

どちらからともなく
お互いちらっと目を合わせ

「今日も忙しくなりそう」
と微笑みながら目配せしあった。