小さい頃は、実家のパン屋の看板娘としてもてはやされ、
高1の時に、たまたまスカウトされてモデルデビューを果たし、そこでもまあまあもてはやされ、
そのまま大学にも行かず、のらりくらりとモデル業を続けて早10年。
そんな私も、2年前にイヤイヤ参加した合コンで、将来有望株と噂高いエリート商社マンの康信をゲットし、
『俺、今度の6月の異動で海外勤務になりそうなんだ。
出来れば明も連れて行きたい。
……結婚しよう』
ついにこの前のホワイトデーにプロポーズされてしまった。
年齢的にもモデル業もそろそろ潮時よね…と思ってた私は、もちろん、
『……はい。喜んで』
それに二度返事でOKした。
そう考えると、まあまあイイ人生を送ってきたと自分でも思う。
……なんて、
数時間前までの私は、本気でそう思っていた。
「康信の…大バカヤローー!!!」
`