「゙あの日"からあたしの時間は止まってる」

「……瑞希」


「翼があたしの全てなの」


聞きたくない。







「翼が壊したんでしょ?」

「………。」



瑞希とはずっと幼なじみで大切な友達だった。

中学に入って俺は心結先輩が好きで




「忘れたなんて言わせないんだから」



瑞希にもちゃんと好きな人がいた。


1年の終わりに俺が振られてヤケになって

いろんな女の子と遊んだ。


瑞希はいつも俺を心配して『もうやめなよ』って言ってくれた。



「ひどいよね 翼」



そんな瑞希に俺は言ったんだ。

『だったらお前が慰めてよ』


瑞希は優しかった

好きなやついるのに、幼なじみ俺なんかに。


「………。」




瑞希の気持ちに気づいたときには遅かった。

自分のことしか考えられなかったあの時の俺はガキすぎた……


瑞希を壊したのは俺だ。


「どうしたらいい?」

「何したって許さないから」


目の前の瑞希がニコニコと笑う。



「翼 好きだよ」

「………。」

「ほんとは心結先輩と別れて欲しいけど……妥協してあげる」



「え?」

「あたしを翼のセフレにしてよ」