「……触んな」

「うーん。その口の聞き方はよくないなァ」



唯菜さん どうしたの?




「いいよ。やめてあげても」

「………え?」



「心結と別れて」

「………。」

「別れて」


繰り返し言う





「絶対イヤ」


先生の腕を振り払って距離をとる。


ドア 開かないし



「知ってた?ここの部屋ってね 外鍵なんだよ」

「え……」


外鍵?



「共犯者いんのかよ」

「ご名答♪ふふっ賢いね」


唯菜さんは椅子にストンと腰かけた。


「まぁ焦ることないか。あたしから手出さなくても時間の問題だし」


「………何が?」


「自分でもわかってるくせにぃー」

「………。」


うわー

めちゃくちゃ殴りたい

自分を。



「人間のカラダなんてびっくりするくらい単純明快なんだよね」

「………。」

「理性なんて所詮はお飾りだよ」


楽しそうに笑う唯菜さん



「………もしかして藍田先生にも同じことした?」


「なぁんだバレてたのか」


「なにが目的?」

「ふふっ」




唯菜さんは笑いながら



「ぽち君と心結を別れさせること♪」


それだけ言った。