「ぽーちぃ君っ」

「………はい?」



「今ひま?次の授業の実験の準備手伝って欲しいんだけど……」



唯菜さんがひょこっと顔を出す。



「そんなら俺が手伝う!!」


「ねっ、ダメ?」


武宮を完全無視で俺にウィンクしてくる。

可哀想に……


「全然いいっすよ」

「じゃあ行こっか」


唯菜さんが俺の手をとる。


「じゃっ」


郁哉と武宮に短くそう言って、教室を出て行く。


「………。」


なんで手ぇ繋いでるのかは疑問だけどね


こんなとこ先輩が見たらまたキレられる。


妬いてる先輩も可愛くて好きだけど



「あーあー……もう」

「どうかした?」

「いえ」



思い出したらまた発狂したくなってきた。



「ねぇ、ぽち君」


科学室に着いてようやく手を離してくれた唯菜さん。


「次ね、理科総合じゃあないんだ」

「………え?」


気づかなかった


「やっと2人きりになれたねェ。ん?」

「唯菜さん?」


なんだろ、この雰囲気。



「お姉さんと2人でちょっぴりお話しよっ♪」


「………はい」



まぁ いいや。

授業な気分でもないから