「マジ?姫!後つけな」


「え〜見つかるよ〜」


「大丈夫!後で報告してきて!」


ツー…ツー…ツー…


一方的に切られた電話


耳に届く電子音


私はパタンと携帯を閉じポケットに入れた


日向さん…花束、誰にあげるの?


胸がキュンと縮む気がした


ダメだとわかっているのに、私は花束を抱えた日向さんの後をつけた


一定の距離をあけて…


探偵気取りのワクワクした気分じゃない


誰かの秘密を知ろうとしているドキドキした気分じゃない


どうしよう…というズキズキの気分だった