いつもならウルサイ車のエンジン音も、今日は耳に入らない


「昴?ヤダァ〜ホント王子様みたいだね!いくつだった?」


「3つ上!4年だって!」


「ドコの大学?」


「聞いてない…」


「連絡先とか交換したんでしょ?」


私は下を通る車のヘッドライトが流れるのを見ながら小さな声で呟いた


「まだ…」


「ハァ?まだ?ってふりだしじゃん!」


「ち、違うよ!名前と歳がわかったもん…」


「連絡先聞かなきゃ会えないでしょ?」


「うん…わかってるけど…」


ウジウジした私に結衣は一言


「今別れたの?だったら追いかけて連絡先聞きな!」