会話が続かないままケーキも紅茶もなくなった


「じゃあ、そろそろ出ようか」


「ハ、ハイ」


私はレジの前で財布を出した


「あっ、いいよ。おつりも返ってきたし、俺に出させて」


そう言って私の財布を軽く押した


「はい…ごちそうさまでした」


喫茶店を出てどうすればいいのかと思っていた私


まさかいきなりホテルなんて誘ってこないよね?


「じゃ、姫、帰り気をつけて」


「はい…」


日向さんは私の肩をポンッと叩き、呆気なく私の前から去って行った


いわゆる置き去り状態