出発の朝──…


ルームサービスでサンドイッチを頼み、コーヒーを飲む


「苦い…」


「すみれは甘党だな」


フッと笑って砂糖を差し出す昴の手を押さえた


「今日は昴と同じ味のを飲むって決めてんの」


私は苦いコーヒーを口にした


「何、ムリしてんだよ…」


「ムリじゃない!昴と同じがいいの」


もうすぐお別れ…


頭ではわかってる


今日は笑顔でさよならするんだって、何度も言い聞かせた


でも…やっぱり心が締め付けられて、苦しいよ