正門に向けていた顔を昴に向けると、昴が私の方に歩いて来ている


私は動けず、固まってしまった


昴を遠巻きに見ている女達の視線が私に突き刺さる


「さっ!すみれ、帰ろ」


昴の迷惑そうな顔がいつもの優しい顔に変わっていた


「う、うん…」


昴が私の肩を抱く


私は少し歩き、正門の方を振り返った


結衣がガッツポーズをしているのが見える


結衣ったら…他人事だと思って


なんか血の気が引いて倒れそう


私は昴に肩を抱かれたまま、キャーキャー言う女達の間を通って昴の車に乗った


こんなに緊張して、恥ずかしいことは生まれて初めてだよ