ふ〜ん…


あんな表情もするんだ


私は咄嗟に正門の角に隠れた


「姫、行かないの?」


結衣が肩を叩く


「だって、あんなに女達いて恥ずかしいじゃん!」


「何でよ!この人、私のだから!って顔したらいいじゃん!」


「え〜そんなのムリだってば…!結衣、私の性格知ってんでしょ?」


「性格は知ってるけど、王子様の危機だよ?姫が助けに行くまであのままでいいの?王子様…誰かに連れ去られちゃうかもよ?」


結衣が冗談っぽく私を煽(あお)る


「連れ去られるなんてないって!」


「ふ〜ん…こうしてる間にも、王子様は知らない女達に腕を絡められ、手を握られ、背中を触られるんだ…いきなりメアドを書いたメモを渡したりする女もいるかもね〜」