もちろん室内は明かりがなく、窓に夜景が映る


日向さんがベッド脇のスタンドの小さな明かりを付けた


私がベッドに座るのを確認するとスタンドの明かりを消す


ほぼ、真っ暗になった寝室に日向さんと2人


ベッドに座って並んで夜景を見ていた


不意に日向さんが口を開く


「姫…俺さ〜やっぱりイタリア行くのやめようって考えてる」


「え?どうして?」


「ん?姫と一緒にいたいから」


私は日向さんが私を抱きしめようとした手を遮った


「ダメだよ…この前も行ったじゃん!日向さんは有名なイラストレーターなんだよ?イタリア行かなきゃ…」