空になったお皿をトレーに乗せて廊下に出してくれた日向さん


私は椅子に座ったまま動けず、人形のようだった


日向さんは私の後ろを通り過ぎて、窓際に立ち、話しかけてきた


「姫、明日は大学?」


「うん…」


「じゃ、あまりゆっくり出来ない?」


「ううん…大丈夫…」


大学休んでもいい


日向さんと一緒にいたい


そう言えたらいいのに…


「姫の大学ドコ?」


日向さんが振り向いて、紙をポケットから出して見始めている


「あっ…桜中央大学…」


「ココか〜」


日向さんが何やら紙を指差した


「な、何?」