これでイラストレーターとしてやっていけるのか?


今の俺には、姫しかいない


姫がいないと描けない


俺は姫にメールをした


『会いたい』


それだけを送信


いくら待っても姫からの返事はなかった


ホテルのチャイムが鳴る


「姫!?」


俺のメールを見た姫が、俺に会いに来たと信じて疑わなかった


急いでドアを開ける


「!?」


目の前に立っていたのは…




「昴、結婚式、終わったんでしょ?ハイ、イタリア行きのチケット!」


マネージャー兼一番上の姉貴が、俺の顔の前で、航空チケットをヒラヒラさせた


「マジかよ…」