電話を諦めた俺は、携帯電話を食卓テーブルに置き、ソファーのある部屋へ向かった


イラストを描いてみようと鉛筆を持つ


白い紙に描こうと線を引いた


指が震えて描けない


俺は食卓テーブルからアレンジされた花を持ってきて、ガラステーブルの上に置いた


「見ながらだったら描けるかな」


そう思って鉛筆を持ち、花を見ながら白い紙に目を落とす


思ったよりもサラサラと鉛筆が動き、白い紙一面に、アレンジされた花が描き写された


「こんなの…ダメだな…」


俺は今、描いたイラストを破った


見た目は上出来かもしれない


でも、花が生きていなかった