「私、待つのキライだし、ずっと会えない男より、近くの男がイイし、日向さんみたいな年上の男って、私には釣り合わないし、だから…」


私の左手を掴む日向さんの手が緩んだ


それと同時に後ろから抱き締められた


「姫は嘘、つくのヘタだね…」


「嘘なんてついてない」


後ろから私の耳元に囁きが聞こえる


「俺のこと…好き?キライ?…どっち?」


「…き…」


「姫?ちゃんと言わなきゃ、聞こえない」


優しい声でそういう日向さん


「……イジワル…」


好きでもキライでもない答え方をした


すると、日向さんの、溜め息と一緒に聞こえた声


「も、いいや…」


も、いいって…呆れたのかな?


ハハ…最後の最後で嫌われちゃった


でも、いいんだ。これで日向さんは心置きなくイタリアへ行けるね