再び日向さんに抱き締められる


唇が重なりそうになった


これじゃダメだ…


「日向さん!イタリア…行っても頑張って…私もこっちで頑張るから」


「姫?」


日向さんは重なりかけた唇遠ざけた


「私、日向さんのこと、忘れないよ。本屋行って、イラストも新しく出たら買うし、ずっと応援してるから!いつも…イベント情報…チェックして…個展あったら…行くから…」


「姫…」


私は日向さんに泣き顔を見られないように、背中を向けてスックと立ち上がった


涙を堪えて最後のセリフ


「じゃ、ココで…日向さんは、私の事なんて気にせず…素敵なイラスト、描いてね…さよなら…」


振り向かずに歩き出したその時、左手を日向さんに掴まれた


「姫?それってどういう意味?」