「ひ、日向さん!?どうしたの?私、何か忘れてた?」


「置いて…くなよ…」


「何を?」


日向さんは何も持ってなくて、ポケットにでも入れているのかと、この時の私は思っていた


「姫の…」


「私の?」


激しい息を整えながら、日向さんが口を開く


「姫の…俺への気持ち…置いた…ままだろ?」


ドキッ


「私の…気持ち?」


「まだ、俺といたかったんだろ?」


日向さんの口調がいつもと違った