「もし、姫と出逢わなければ、マキの結婚式が終わったら、すぐにイタリアなんだろうけど──…姫がいるから行きたくなくなったな…」


「ええ?嬉しいけど、ダメなんでしょ?」


私だって日向さんがイタリアに行っちゃうのはイヤ


でも、引き止めたら、日向さんが困るよね


「向こうの依頼、わざと遅らせて契約破棄…しようかなぁ〜」


溜め息交じりでそう言う日向さん


私は髪の毛を触る日向さんの手を掴み、体から離した


「ダメッ!そんなことしたら日向さんの信用がなくなっちゃうよ!」


わざと少し強い口調にしてた