溢れる涙を止めようと、必死で別のことを考える


結衣、元気?今、何してる?


神谷さん!私の入れたコーヒー、どうですか?


ダメだぁ〜


結衣も神谷さんも、日向さんに関わったことを思い出してしまう


私は日向さんを見た


日向さんは窓の外を見ている


私の視線に気付いたのか、私に話しかけてきた


「姫、行こうか」


「うん」


結局、さっきみたいに手を繋いだり、肩を抱いたりなんてなくて、私と日向さんの距離は離れるばかり


「姫!」


振り向いた日向さんに呼ばれて歩くペースを速める私


日向さんの足は、駐車場に向かっていた