「日向さん…スミレの絵、描いてもらえますか?」


「スミレ?いいよ?」


「ええ?ホントに?」


「うん…スミレでしょ?可愛いよね」


花のスミレのことなのに、私に言ってるような錯覚を引き起こす


日向さんの指が動き始めた


白い紙に描かれていくスミレ


「姫ってさ〜花、好き?キライ?…どっち?」


「え?花?好きです」


「どんな花が1番好き?」


日向さんはスミレを描きながら、私に聞いてくる


「カスミソウとか…」