どっちにしても、私が映画に誘う雰囲気じゃない


日向さんは時計を気にしているのか携帯をテーブルに置いて、よく見ている


私と一緒の時は携帯、テーブルに置いてなかった


きっと相手が来るの、待ち遠しんだね


「大事な話なら奥のテーブルに行きますか?」


「あっ、そうしてもらおうかな」


「はい」


私は奥の角のテーブルに日向さんのコーヒーを持って案内した


「ありがとう、姫は気が利くね」


「いえ…ごゆっくりどうぞ」


私が頭を下げてダスターを手にした時、お客様が入ってきた


「いらっしゃいませ」