「いやぁ…告白現場に遭遇してもて。」

と私が言ったら、



「ああ、啓は慣れてるよね。」

と奈々が言った。




…そうやった。

啓もなん十回と告白されてるんや。


私はかなりしょげてしまった。



「でも、美緒もモテてるよね〜。」

沈んでる私に気づいた奈々は意味ありげに言った。


その言葉に過剰に反応する啓。


「そういえばさ、さっき見かけたんだけど、直哉くん…なんかあった?放心状態だったよ?」

「直哉くんもなんかショックな事でもあったんかなぁ。」

朝もなんかしょげてたし…。




「ま、どっちかというと美緒のせいに近いけどな。」
と、啓に言われる。


「え!?何で!?私だけ?啓は違うん?」

「そうそう、俺は違うわ。」


私は啓に攻められたじたじになる。


分からん!

何で私だけ…?



放課後…




「ばいばーい。」

啓と英二と別れて、奈々と歩いて帰っていた。



「はぁーっ!昨日の今日ってかなりハードだね。」

「ほんまそれ…。」


すっかり疲れきった私達は部活や委員会の仕事で頑張る啓や英二に感心していた。



「女の私達には無理だね!」
そう言って奈々とも別れた。


夕方の道をゆっくり歩く。
すると後ろから走る足音が聞こえてきた。



少し怖くなって振り返ると、そこには南がいた。


「え…南やん。どうしたん?そんな走って…。」

「何って…俺になんか用…。」






なんか用って?

首を傾げる私を見て、南は言い直してくれた。