なんや、分かってくれてたんや。




と、その時



ふと思った。




今みたいに考えを言わなくても
相手に伝わるって


これが心が繋がってる
ってことやんね?





…じゃあ、都ちゃんと聡くんには
こーゆーのがないんや…。



そんなの寂しすぎる。





あの2人はどっちが間違って、どっちが合ってるか
なんてどうでもよくて

でも向き合わなあかん内容は
自分たちのダメなところ。



都ちゃんは何がしたい?


何を聡くんに伝えたい?









「啓…」


「ぁん?」



走ってる最中、啓に聞いた。



「都ちゃん、なんで聡くんを避けるん?」



啓は少しビックリしたような顔で私を見た。




お前のその鈍感頭で何を考えんねん。


…みたいな顔で。



「なによ、私だって他人のことなら、一生懸命頭フル回転させるわ。」



悟ってそう言うと、




「え、何で分かったん?」



って聞いてきた。




…失礼な。





…まぁ、これも心の繋がり



…ということにして怒りはおさめよう。








「あいつは…彼氏が輝いてる姿をずっとそばで見たかったって言ってたわ。」



…それって夢を諦めてほしくなかったんやないの?


でも、違うって聡くんに言ってるみたいやし…




「俺にはさっぱり意味解んなかったけどな。」