「都ちゃんに、伝え切れてないこと言いな。」


「…うん。」


聡くんの目は自信なさげ。


「ちゃんと言えば、伝わるから」



こーゆーのは言葉にしなきゃ、
伝わんない。





は?何?どゆこと?

と、啓はあたふたしていた。



それを
2人の問題だから。

といって少し聡くんたちから距離をおいて見守ることにした。





様子を見ていると、なにやら都ちゃんが聡くんの話を聞こうとしていないようで…




何度か聡くんが口を開いてはいるんやけど


綺麗に解決は出来んのかなぁ…




啓も察しがいいのか、黙って見守っていた。






2人は何らかの言い合いをして、都ちゃんが走り出してしまった。



微かに、「別れよ。」の一言が聞こえた。








「「あぁっ!」」




私と啓は咄嗟に叫んだ。



残された聡くんはうつ向いたまま。






何やってんねん!

おいかけーよ!!




「聡くん!おいか」


「追いかけろ!!彼氏なんだろ!?」






私が言い終わる前に
啓の声が飛んだ。



「でも…」


「でも、ちゃうわ!はよ、ええから行け!!ごちゃごちゃ考えんのは後でええ!」



…啓


ちゃんと考えてたんや。
2人のこと。




「…わかった」



聡くんはそう行って都ちゃんの後を追った。



私達も行こう。




「啓…」


「おう。もちろん俺らも追っかけんで。」



「うん!!」