「何処にいるの?」


「えっと…」


私は覚えてる限り、啓の言った情報を聡くんに伝えた。



「あー…」

「分かったん?」


「うん…なんとなく。」



眉間にしわを寄せながら、聡くんは走り出した。



また走るんか!


さっきから動き回ってて疲れてはいたものの

さっきの電話で啓に一秒でも早く会いたくなって…


運動に鈍い体を動かして、一生懸命走った。



単にヤキモチを焼いていたからっていうのもあるけど。



「た…ぶん、ここだと…思うっ…。」


聡くんも気が気じゃないのか、かなり焦った表情。


ついた場所は大きなテレビ局。



…ここって、めちゃくちゃ有名な所やん。


回りを見渡すと、よくテレビで見かけるスタジオやセッティングを見かける。


「雑誌の撮影でよく来る所なんだ。」