なんか…嫌やな……


って!
こんなこと思ってる場合じゃないねんよな。


「啓、今どこ?」


早く都ちゃんを見つけて啓に会いたい。


《ああ、えーっとなぁ…赤い看板のとこ…?駅から近い、一番高いビルの所。》

アバウト過ぎて解らへん。
啓は慣れない場所のせいで説明しにくいみたい。



「仲本さん!彼氏との電話長いよ。はやくミヤを探してよ。」


あー、はいはい。

無駄に声大きいなぁ…



そう思いながら、携帯を再び耳に当てた時


《…ぅわっ!…プッ…ツ-ツー》



えっ!?

切れた!!
まさか、都ちゃん?


気を抜いた瞬間、電話が切れてしまった。



都ちゃんに聡くんの声が聞こえたんかな。



「聡くんが声大きすぎやからー!」

「えっ!?何?」


何?じゃないわ!!

「都ちゃんと一緒にいたの!!!」


「うそっ!?」



その後も何回か電話をかけたが、一切繋がらなかった。