し…しょうがない…。


「わかった…から、手を放して。」


弱いねん…
そういう目されんの。



「ほんと!?ありがとう!」
お礼を言われるとなぁ…


一応啓には連絡せなあかんから、放してもらった方の手で携帯を取り出した。


「ちょっと電話してええ?」

「あ、うん。でも早くね?」
と男の子は答えた。



《トゥルルルル…トゥルルルル…》


…あれ?

繋がらない。



「ね、早く。まだ終わらない?」


横で速く速くと急かすので私は仕方なくケータイを閉じた。



「わかった。で、どこ探せばいいん?」

「とりあえず事務所を探しにいくよ。」


「えっ!?事務所!?」


前を走る男の子に私は聞いた。


「ミヤはモデルやってるから。」


「うそぉーーっ!?」