「けいっ…!」


グイッ!




!!?!??




誰かに腕を捕まれた。




何っ!

誰っ!?



ていうより、走んの早すぎっ

息切れしてきた…。




大通りから外れた方向に連れてかれてる気がする…



って!

待ってまって!!


この人絶対啓じゃない!


これってつまり…





「放して変態ーっ!!!!」


ドンッ!




「うぇ!?都っ!??」



…へ?


その人はとっさに誰かの名前を呼んだ。


ズサーッ!



私が突き飛ばしたせいで男の人は倒れてしまった。


てか、都って誰…?



「あのー…、大丈夫ですか?」



よく見ると私達と同じくらいの年に見える。



「ん…って、わぁっ!!」


その人は跳び跳ねるように私の顔を見て声を出した。

むっ…

…失礼な。


「みみみ、ミヤじゃないっ!?」



当たり前やって!


「私は仲本美緒!都って人と間違えられて君にここまで走らされたの!!」


「あぁ…。」


…なんか気の弱そうな人やなぁ。



「ごめんねっ、人間違えたよ。」


「…いや、別にええけど。戻らないと…。」


「あっ、そうか。そうだよねっ。」



その男の人…っていうか男の子は、泣きそうだったうるうるした目から、少しパァっと明るくなった。


「ミヤのところに行かないと!」


グイ!

え?


「走るよ!」


またぁ〜〜〜〜〜!?

さっき死ぬほど走ったのに!!