俺が隙を見て不意打ちキスをすると、困ったような、恥ずかしそうな顔をした美緒。


…もうちょい困った顔が見たかったりもするけど…。

これ以上は止めとくか。



それからは生徒に見つからないように過ごす…なんてのはさすがに無理で…。


少しの間しか一緒にいれなかった。



「なんやねん。少しくらい心遣いあってもええやんけ。」


「まー、まー、そうカンカンすんなって、啓。」


学校に戻ってきて、また皆でゲームをしていた。



英二も他人事みたいに言いやがって…。

こんなことならこんなイベントなくてもええわ!



「なー、啓。」

「あ?」


いきなり名前を呼ばれ振り向くと、


「…佐久間…。」


それから俺は外に呼び出された。
「さぶっ!」


もう夜の10時や。


「呼び出して悪いな。」


「そう思うならさっさと話済ませろ。」


俺は別にイラついている訳ではないが、結構ズバッと言った。


それを聞いた佐久間はばか笑いしだした。


…なんで笑ってんねん、こいつ。



「…何やねん。」


あかん、つられて笑ってまう。

声が震えるやん。



「いや、やっぱ啓はええなぁと思って。」


…は?


俺はいきなりの告白に唖然とした。


なんやこいつ。

なんか…気持ち悪いな。


「変な意味ちゃうぞ?…俺が美緒ちゃんの事好きなん知ってても、態度かえへんやん。」

「…ふつー…、そういうもんやろ…?」


そんなんで態度変える奴なんかおるんか?



「哀れむとかさ、同情するとかあるやん…色々。」


「ねーよ。」


「ある奴もいんだよ。」

またもやキッパリ言う俺に、佐久間はまた笑だした。