それから5分後…


男子がぞろぞろと上がってくる頃には、俺は外に出ていた。


「うわ…やっぱ寒ぃ…。」


俺は美緒に外で待ってるとメールして、頭も乾かさずに外に出てきてしまった。

入口で待ってると誰かにバレるかもしれへんから、少し人目に付かない場所にいた。


10月下旬だからか、夜は昼間と違って寒い。



「啓っ…。」


あ、この声!



「美緒っ!!」


「ぅわっ!?」


俺は小走りで嬉しそうに走ってくる美緒を見て、思わず抱きついてしまった。


美緒の髪の毛いい匂いする…。

あー…なんか…

我慢出来へん!!



「な、何いきなり…?…んっ!?」


俺はいったん、離れようとした美緒の唇に自分の唇を押し当てた。


「…ん…けぃ…。」


「ごめん。我慢出来んかった…。」


なんか急に恥ずかしなってきた。


「あ…わ、私…その…ぅれしかった…から。」


え?

今なんて??

今のはキスが嬉しかったってことなんか?


俺は美緒の顔を覗き込んだ。


美緒は耳まで真っ赤っかになってて…


可愛い…。


んでも、んな黙られたらこっちまで恥ずかしくなってくるやん。


俺も少し自分の足元を見たとき…



パサ…

…え?


少し目線を上げると、美緒が持っていたタオルで、俺の頭を拭いてくれていた。





「……。」


黙って美緒をじーっと見ていた。

美緒もその視線に気付いて、恥ずかしそうな顔をする。


美緒よりも背が高い俺の頭を拭くために、かなり背伸びして一生懸命拭いてくれてんのがわかる。


その仕草が可愛くて…

愛しくて…



俺は急にまたキスしたくなった。


もっかいキスしたって怒らへんよな…?



チュ…