「その…美緒が関係してて…。」


「はぁ!!?」


俺は大声で叫んでしまった。


「なんやねん、何で美緒が関係してんねん!」


「うわ、俺にキレんなって!」


ふざけんな!



「お前も、佐久間がまだ美緒の事好きなの知ってんだろ?」


…そりゃ嫌でも分かってるけど。



「あいつはあいつなりに色々我慢してる所もあるんじゃねーの?」


我慢って…

やっぱり……。



「俺だって佐久間がまだ美緒の事、好きなのは嫌でも分かってるわ。」

これだけは見てみぬフリできへんわ。



「じゃあ、今日くらいはいいんじゃねー?」



それは…



「嫌や!」


に決まってるやん。


佐久間にはわりーけど、俺は何でも美緒優先やねん。

「お前、ものわかり悪すぎ…。」


んな呆れた顔すんなよ。

美緒は今日を俺と一緒に過ごしたいから、あんなに一生懸命練習してたんやで。

俺ん中は佐久間より美緒の方が当たり前に大事なんや。

そりゃちょっとは自分のためでもあるけどさ…。


ザバァ…


ずっとつかってっとのぼせてまうわ。


「悪ぃ。先上がっとくな。」


そう言って俺は温泉から上がった。


着替えてバスタオルで頭を拭いていた時、隣の女子風呂から美緒と他の女子たちの声が聞こえてきた。



何話してるんや…?


気になったけど、いちいち気にしてると変態みたいだったから止めた。



…と、思っていた矢先の事…



「きゃあぁっ!!」


突然美緒の叫び声が聞こえてきた。



今のは間違いないわ。

絶対美緒や!


いてもたってもいられなくなって、俺は荷物をほったらかして更衣室の外に出ようとした。


すると…