「一番寂しいのは、俺やお前じゃないんじゃない?」


顔が熱くなる。恥ずかしい。

気がつけなかった。

こんな簡単なことなのに。

自分ばかりが悲劇の主人公気分で、悠太の気持ちなんか全然考えてなかった。


「……私、消えてなくなりたい」


私は膝に顔を埋めて小さく丸まった。


「俺も寂しいから、お前の気持ちはよーく分かる」


陸が腕を組んで偉そうに頷く。


「それに……多分、悠太も分かってる」


「え?」


ぱっと顔を上げて陸を見た。


「お前が寂しいのが分かってるから、あいつの頭ン中は今、志津にどうやって納得してもらおうかで一杯だ。だから多分、自分が地元を離れる寂しさなんて忘れてるよ」


陸が笑った。


「そういう奴だよ、悠太って」