そう言って始めてはみたものの、ふたりとも相当な不器用だった事を忘れていた。

何度やっても、糸が絡まってうまく編めない。


「だめだー!! こんなん作れるかー!」


イライラが頂点に達し、失敗したミサンガをゴミ箱に放り投げた。

ゴミ箱の中は、糸くずだらけになっていた。


「俺も失敗だ……」


複雑に絡まりあった糸くずの塊を見つめて、陸が絶望的な声を出した。

私のも結構酷いけれど、陸の謎の物体程じゃない。

何をどうしたら、そんな状態になるのか教えて欲しい。

ミサンガなんて私たちにはハードルが高すぎたのかなぁと陸の糸くずの塊を見つめた。


「こうゆうのは悠太が得意なんだよね」


「そうそう、男のくせにすっごい器用だからなぁ。家庭科とか俺らの分まであいつやってくれたよな」


髪の毛に赤い糸をつけて、陸が懐かしそうに頷いた。


「今、改めて思ったんだけど……」


「うん?」


「俺らって、今までずーっと悠太に頼りっぱなしだったよな……」