そんな様子を見て、国立に行きたいだなんて、口に出すのもおこがましと思っていただろう他の1年や一部の2年達が「悠太に付いていけば夢じゃないかもしれない」と3人と一緒に練習するようになっていった。


更に追い風となったのが、監督の存在。

悠太たちが小学生のとき所属していたサッカー少年団の監督が校長と知り合いで、「悠太がどこまで成長するか見たいんだ。ボランティアで指導させてくれない?」と言ったらしく、サッカー部監督に就任した。

悠太の引き寄せる力って本当にすごい。


選手権地区大会が始まった8月。スタメンは悠太や陸を始めとする1年生が中心だった。

当然の結果といえばそうなんだけど。


それでもスタメンを追われた先輩達としては心中複雑だったに違いない。

「どうせ一回戦敗退だろ」と多くの先輩達が笑って見ていた中、悠太たちは地区大会1回戦を8対0という圧倒的大差で快勝。

この試合で、悠太は3点と大量得点を挙げたし、悠太の影に隠れてしまっているけど、実は陸もこの試合で2点も決めている。


この時先輩たちは、マグレでしょ、と笑っていたらしいけど。