私たちが小学校低学年の頃、W杯の影響もあってか、男子達は休み時間になると必ずサッカーをしていたし、クラスで文集を書かせれば、多くの男子が「将来はサッカー選手になりたい!」と書いていた。


勿論、悠太や陸も例外ではなく将来の夢は「サッカー選手」と言っていた訳だけど。


特に陸は自分の店にあるサッカー選手の自伝本を片っ端から読み漁り「俺もこうなる!」「こうやって練習したらいいのか」と目を輝かせていたっけ。


高学年になると、陸と悠太は地元のサッカー少年団に入った。

少年団の監督は厳しい指導で地元では有名な人だったから、陸なんかは毎日泣きながら練習していた。

それでも放課後悠太達がサッカーをしている姿は、本当に楽しそうで、仲間に入れない私はいつもそれを羨ましく眺めていた。