「しかし早いよなぁ。悠太が留学してもう1年半か……」


ぷらぷらさせていた足を止めて、陸が遠くを見つめた。

いつもふざけている陸の顔が真剣になる。

滅多に見せない表情だ。

私も黙って遠くを見つめた。

地平線に少しづつ太陽が沈んでいく。


ゆらゆらした波がオレンジ色から赤に変化して、昼間あんなに青かった海を赤で染める。


3人の間に穏やかで長い沈黙が流れた。


陸と悠太が何を想っているのかは分からないけれど、私は2人がサッカーを始めたばかりの頃を思い出していた。