悠太が穏やかな表情で微笑む。


「陸……志津の事、頼むな」


一瞬緩んだ陸の手にまた力が入って、手首を締め付けた。


「――っ」


涙が溢れる。

私は本当にばかだ。


陸の掴んだ手なんて簡単に振りほどけたのに。

でも……自分の意思で抵抗しなかった。

ここに居ることを選んだ。

いつか後悔する日が来るかもしれない。




それでも……――。



唇をかみ締めた、その時。


鼻先が、あの時と同じように黄色く優しく光る。



「え……」