月が厚い雲に覆われて姿を消した。


「なんだ……突然……」


心の中まで雲が入り込んできて不安な気持ちになる。

暗くなった空を見上げて

悠太が静かに呟いた。


「もうすぐ0時になるんだろうな……」


それは、8月16日が終わるということ。



「嫌だ!行かないで!!」


「ごめん……」


悠太が優しく私の頭を撫でた。

触れた手は冷たいのに……なぜかとても暖かく感じた。


「せっかくまた逢えたのに……」


もう離したくない。どこにも行かないで……。



「私も……私も一緒に行く!!」